月に10冊は本を読んでいる、まにゃです!
読書ジャンルは、「投資」「副業」「節約」「節税」「子育て」「お金の勉強」。
今回は「お金の勉強」に入る、「知らないと損する年金の真実」を紹介。
テレビや新聞といったメディアの情報に踊らされて、年金について正しく理解していない人が多いです。
この本では、公的年金にまつわる事実・エビデンスが多数取り上げられており、それに基づいて年金が解説されています。
公的年金に対する正しい知識を持つことで、情報に惑わされず、自分の頭で年金について考えられるようにしよう。
公的年金制度は、老後生活における生活基盤を確保するためには欠かすことができないもの。
それだけに、間違った知識や思い込みを正し、年金を活用することはとても大切。
・年金についての誤った情報がわかる
・年金について正しく理解できる
・年金を理解して、老後に備えることができる
・最新の年金制度情報がわかる
・「個人年金」などに引っかからなくて済む
- 第1章 年金の本質
- 第2章 年金に対する誤解を解く(初級編)
- 第3章 年金に対する誤解を解く(中上級編)
- 第4章 知っておくべき年金の歴史
- 第5章 年金改革で変わること
- 第6章 公的年金をうまく活用する
- 第7章 これからの年金との向き合い方
「知らないと損する年金の真実」は2021年10月に出版されました。
2022年に年金制度が変わりますが、それにも対応しています。
年金制度は変更になることがあるので、常に最新情報を得ておくのが大事!
第1章 年金の本質
なぜ年金が不安なのか
年金に不安を感じる理由は以下の3つ。
・経験していないことだから
・年金不安を煽る人たちがいるから
・年金について間違って理解しているから
年金不安を煽る3悪人
年金不安を煽る人たちは以下の通り。
・マスコミ
基本的に悪いことを報道するもの。
・金融機関
年金が頼りにならないからこそ、自分たちが販売する金融商品が売りやすくなる。
・野党
政権交代のために政府を攻撃するのに年金は格好の材料。
これら3者は必ずしも悪意を持っているわけではない。
ただ、自分たちの利益を最大化することを目的に行動しているだけ。
したがって彼らを責めても仕方ない。
年金の本質とは
年金は「貯蓄」ではなくて「保険」。
年金は社会保険の1つ。
社会保険というのは、病気になった時に治療費が賄える健康保険や、失業した時の雇用保険、あるいは年をとって要介護状態になった時に補助される介護保険といったもの。
「貯蓄」は将来の楽しみのために自分で蓄えるもの。
これに対して「保険」は、将来のリスクのためにみんなで備えるもの。
どちらも将来のために準備しておくことだが、その目的や方法は全く正反対。
年金はどんなリスクのための保険かというと、「予想外に長生きするリスク」のための保険。
生きはしたけれどお金が全くなくなってしまったのでは悲惨なことになりかねない。
そういうときに安心なのは、死ぬまで受け取ることのできる年金制度。
ここまで見てきた通り、年金は保険である。
ところが世の中の多くの人はこのことに気づいておらず、年金は貯蓄だと思っている。
そのために年金を損得で考えてしまう。
年金は保険だから、1番大切なのは損得ではなくて安心感。
何歳まで長生きしても生活することができるという安心感。
年金を損得で考えていました・・・
年金は将来のものやサービスに対する請求権
大切なのはお金そのものではなく、どんなに物価が上昇しても物やサービスを手に入れることができる購買力。
では、その購買力を維持するにはどうすれば1番良いか。
それは、物価上昇に連動すること。
物価上昇に最も適切にスライドするのは給料。
年金は現役で働いている人の給料からその一定割合を保険料として納めてもらい、その保険料を年金として支給する仕組み。
なので、物価上昇に伴って給料が上がれば年金支給額も増える。
多くの人は、年金は保険料を積み立てておいて、将来自分がリタイヤした後に積み立てたお金を受け取る仕組みだと思っているが、それは違う。
もしそうだとしたら、物価上昇に負けないようにそのお金を運用しないといけない。
でも、いつの時代でもその時代の現役賃金をベースにした保険料から年金が支払われるとしたら、運用という不確実な方法に委ねる必要がなくなる。
第2章 年金に対する誤解を解く(初級編)
年金財政は赤字という勘違い
年金財政は赤字だと勘違いされているが、赤字なのは国の一般会計。
年金はこの一般会計とは別の勘定になっている。
年金特別会計の中には、健康保険・子育て支援等が含まれるが、公的年金だけを取り出すと年金積立金と言われるお金が、令和元年度末で約190兆円ある。
つまり、190兆円もの貯金を持っている。
そして、年金の積立金は何もせず現金で置いてあるわけではなく、運用されている。
その運用が生み出す収益もかなり多い。
実は日本の年金積立金の額は世界的に見ても極めて多い。
日本は、戦後に経済の高度成長が続いたことで、他の国に比べて年金積立金が多い。
若者は払い損
年金保険料は、若者は払い損ということもよく言われる。
年金の保険料の負担だけを見れば、世代間に格差があるのは事実。
しかし、決してそれが世代間不公平にはつながっていない。
70歳以上の人は若い頃に年金制度がなかったので、自分の親を扶養していた。
つまり、公的年金制度が始まった当初の人たちは、その制度がない親の分と自分の分の金銭的負担をしていた。
また、20代の若者でも払い込んだ保険料の倍の金額が受け取れるという試算になっている。
年金の運用は赤字続き
年金の運用は赤字続きというのも割とよく言われること。
なぜかというと、 GPIF と呼ばれる年金積立金管理運用独立行政法人の運用成果は、プラスの時もマイナスの時もあるが、マイナスの時の方が大きく取り上げられるから。
実際の運用益は過去20年間で100兆円余りの利益を上げている。
GPIF は投機的なことをしているわけではなく、インデックス運用を行っている。
万一、年金積立金が大きな運用失敗によって半分に減ってしまったとしても、それで年金給付が行われなくなるわけではない。
年金積立金はあくまで調整弁であり、積立金だけを年金給付の原資にしているわけではない。
現役世代が支払った保険料を原資にしている。
第3章 年金に対する誤解を解く(中上級編)
少子高齢化が進むので年金は崩壊する
少子高齢化が進むので年金は崩壊するとよく言われるがそれも誤り。
年金のような社会保険制度は、元気で働いている人が保険料を負担する。
つまり、年齢に関係なく働いていれば保険料を負担するということ。
そういう観点で考えると、単に年齢で切り分けてその比率を比べるのではなく、働いている人が働いていない人を養っている割合がどれくらいかで考えるべき。
2022年では1人が0.89人を支えている。
30年前の1990年には1人で0.96人。
そして、半世紀前の1970年代は1人が1.05人。
今日の方が高齢者の数は増えているのにも関わらず、支えている人数自体はわずかですが減っている。
とはいえ、1人当たり稼ぐ金額は変わっているのではと思った。
働く高齢者と女性が増えたから労働人口は増えているけど、賃金はそんなに高くないよね。
年金は賦課方式よりも積立方式にすべき
「賦課方式」は簡単に言えば、現役世代が拠出した保険料を現在の年金受給者に給付するやり方。
日本だけではなく先進国のほとんどが採用している。
「積立方式」というのは、自分が払い込んだ保険料を国が預かって運用してくれて、それが老後に給付される。
少子高齢化になれば若い人の数が減るのだから、現役世代が高齢世代を支える賦課方式は成り立たなくなる。
年金は賦課方式よりも積立方式にすべき、と思っている人が多い。
しかし積立方式の場合、何歳まで生きるかわからないので、それまで積み立てた金額とそれを運用していった間の範囲内でしか年金を支給することができないので、足りなくなる恐れがある。
他にも、多額の資金を運用リスクにさらすことにもなる。
第4章 知っておくべき年金の歴史
高齢化社会は50年も前から始まっていた
1972年に日本は高齢化社会に入っている。
高齢化社会の定義は、人口に占める65歳以上の割合が7%を超えること。
2004年以前は事業所に対する年金の給付額が決まっており、それに合わせて現役世代の負担額を決めていた。
しかし、この方法では高齢化が進む時代において、現役世代に負担がかかることになりかねない。
そこで、2004年以降、現役世代の払込負担額を混ぜてそれをベースに受給者の給付額を決めるという方式に変わった。
年金が持つ格差是正の役割
実は公的年金にはもう1つ大事な役割がある。
それは、「所得再分配機能」。
高い所得を持つ人から低い所得の人に対して所得の分配が行われる。
第5章 年金改革で変わること
2022年の改正で変わること
2022年に年金制度が変わり、厚生年金に入れる人が増える。
国民年金は月額約6万円、厚生年金は約65万円貰えるので、厚生年金に入りたい人は多い。
また、厚生年金に入れば、病気や怪我で仕事を休んだ時の傷病手当金や、出産の際の出産手当金も支給される。
他にも2022年の年金制度改正で、60歳以降に働く場合、年金の受給に関して今までよりも有利になる。
第6章 公的年金をうまく活用する
繰下げ受給中は加給年金等が受け取れない
妻が年下の場合、夫が65歳になった時点で妻が65歳になるまでは、「加給年金」が受給できる。
夫と妻の立場が逆の場合も同様。男性は年間で最大39万円ほど。
しかし、夫が年金を繰り下げ受給している期間はこの加給年金が支給されない。
加給年金が支給されるのは「老齢厚生年金」なので、厚生年金は繰り下げ受給をせず、基礎年金部分だけを繰り下げすることもできる。
これは初耳!覚えておかないと。
42%がまるまる増えるわけではない
70歳まで繰り下げ受給すると、65歳からの受給額に比べて42%増額される。
でも、手取り年収が増えることになるので、税金や社会保険料も同様に増える。
1割か2割くらいは減少するので、実際は手取りベースでは36%から38%ぐらいの増加にとどまる。
他にも、年金受け取り時の考えるべき4つのパターンが紹介されています。
第7章 これからの年金との向き合い方
「年金」と名前の付いた商品を、年金不安に煽られて買ってはいけない。
例えば「個人年金保険」。
また、名前には年金と入っていなくても、年金方式で分配金が受け取れる投資信託といった類のものもある。
実はこれらの金融商品は老後資産形成には向いていない。
年金と名前の付いている金融商品は、保険商品の形をとっていても実質的には貯蓄や投資商品。
貯蓄や投資が悪いわけではない。
公的年金を土台にして、それよりも豊かに暮らしたいから自助努力による貯蓄や投資を行うのは結構なこと。
でも、もし貯蓄とか投資をするんなら他にもっと良い手段がある。
個人年金保険はどこが良くないのか
個人年金保険は、基本的に貯蓄目的で利用される。
一般的には30年払い込んでそこから5年据え置き、10年間で受け取った場合で返戻率は105%から106%くらいのものが多い。
106%だとすると、6%も増えるのかと思う人もいるでしょうが、これは年率ではない。
45年かけて106%になるということは、年率は0.4%弱にしかならない。
それでも定期預金の金利を考えればこちらの方が良いという人がいるかもしれない。
向こう30年間、今の預金金利が全く変わらないならそれもいいが、おそらくそんなことはあり得ない。
また、物価が上昇することを考えると、今の超金利でこんな低い金利の商品に30年も40年も固定しておくというのは怖い。
他にも、個人年金保険は保険料が所得控除の対象となるので有利だと言われるが、これは実はたいしたことはない。
保険料をいくら払い込んだとしても、所得控除となるのは所得税では4万円。
住民税では28,000円で、合計しても68,000円が上限。
対して、iDeCo であれば掛金全額が所得控除される。
リスクを取りたくない場合でも個人年金はやめておいた方がいい。
なぜなら、中途解約すると多くの場合、元本を割るから。
長期にわたって元本が絶対安全なものをということであれば、個人向け国債変動10年で運用するのがいい。
以上、「知らないと損する年金の真実」をさらっと紹介しました。
さらっとの割にはボリュームがあるなって感じですね(笑)
年金制度は全ての人に関係することなので、しっかり本書を読んで理解しよう!
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